先日はユダヤ人を救った動物園をみました。
1930~1940代のドイツナチスの支配標的のユダヤ人狩り最中のポーランドワルシャワ市の動物園の話。
人種から土地からと色々な意味で中間に属するので、東は領土を広げたいソ連軍の侵攻、西はドイツの侵攻と辛い立場にあるポーランドの動物園家族の話です。
分け隔てなく「正しい事をしたい・子供に育てたい」夫妻の実話ベースの映画でした。
実際には300人近くのユダヤ人を1か月~1年以上助け続けたわけですが、最終的にはナチスに見つかるも死者2人は出てしまいましたが、緊迫した状況で最善の努力をしながらかくまってきたポーランドの影の英雄です。
映画「ユダヤ人を救った動物園」のあらすじ
引用:MIHOシネマ様
ユダヤ人を救った動物園のあらすじ>>
あらすじ短縮版となっています。
1939年、ポーランドのワルシャワ。アントニーナ・ジャビンスキは夫のヤンと共にワルシャワ動物園を経営し、人気を博していた。巷ではユダヤ人の殲滅を目的とした、ヒトラー率いるドイツ軍との戦火がワルシャワへも飛び火すると噂され、ヤンは幼い息子を連れ妻に田舎へ避難するように話す。だが、アントニーナは息子にとっても自分にとっても、家はここだけだと言い切り、避難することを拒否。
同年、9月1日。ワルシャワ上空にドイツの爆撃機が襲来。動物園も標的とされ、アントニーナはただちに荷造りを行い息子と共に駅へ。しかしその際、動物たちが檻から抜け出してしまう。ヤンが駅へ迎えに来たため、帰宅したものの、空爆後の動物園は酷い有様となっていた。
ドイツ軍はワルシャワへ侵攻し、支配下に置くことに成功。奴らは動物園の一部を武器庫として使用するのであった。
ユダヤ人はドイツ軍によって強制連行されていく。その様子はさながら罪人を扱うようであった。市民が避難のため、街を去って行く中、夫妻の元へ親交のあるユダヤ人昆虫学者夫妻が訪れる。彼らもユダヤ人であったが、逃亡中に大量の昆虫の標本を持ち歩けないので、ジャビンスキ夫妻へ預かって欲しいと依頼。ヤンは快く了承し、預かった標本を地下室へ大事にしまった。
話に聞くとドイツ軍がユダヤ人に対する扱いは酷いもので、塀に囲まれた地区へと集められているらしい。塀の中では食糧も少なく、水を渡しただけで厳しく罰せられると言う。夫妻の友人であるマウリツィもまた捕縛されてしまい、妻が助けを求めて夫妻の元へ身を寄せる。アントニーナは夫にユダヤ人たちを動物園に匿うことはできないかと相談したが、現状ではとても難しい問題であった。
協力者の店の奥にて身分証を偽称。大人の女性は髪を染め友人を装って密かに逃亡させる。外へ出ることはできなかったが、夜ならば自宅内を自由にさせた。ユダヤ人たちは居住区から助け出され、ジャビンスキ夫妻の元で一時の安息を得る。
アントニーナの元には度々、ヘックが訪れた。彼はバイソンの繁殖のため、彼女に手助けを頼んでいたのだ。理由はそれだけではなく、人妻であるにも関わらずヘックはアントニーナに懸想しているのだった。例え彼を欺くためとは言え、親密な様子を見せる妻とヘックに嫉妬を隠せないヤン。時には彼女へ冷たく当たることもあった。
そんなある日、夫妻の元へゲットーの労働局員がやって来る。彼はユダヤ人の昆虫学者を尊敬しており、夫妻に標本を預けたと本人から直接聞いたと言う。更に昆虫学者は居住区にて亡くなっていたが、労働局員は彼からある作戦に加担する旨を託されていた。
そのお陰で、労働局を自由に行き来できるようになったヤンは、局を通してユダヤ人たちを次々に逃亡させる。これまでは慎重を期し、秘密裏に行っていた手続きが労働局を通すことで、より簡単に逃がしやすくなったのである。しかし、手続きが簡単に済ませられるようになった分、危険は以前より高まった。
アントニーナもまた、これまで通りの手法で女性を逃がし続ける。そんな中、ヤンは友人マウリツィをどうにか逃がすことに成功。自宅にて匿っている妻と再会させた。その日の夜、ヤンからヘックとの親密さを咎められたアントニーナ。欺くための偽りであるとは言え、目に余ると言われてしまうのだった。
その日はユダヤ人にとって過越の祭りが始まる日で、外では灰の雪が降る。それは、反乱軍が市内でゲットーを燃やしたために発生したものだった。外は騒乱の渦と化していたが、ジャビンスキ家では祈りの歌が粛々と唄われる。
1944年8月1日。ポーランド国内軍がナチス・ドイツに対し蜂起し、市民へと更なる呼びかけを行う。その頃には市内は戦場と化し、ヤンもまた戦いへ。だがその日、彼は首を撃たれてしまいドイツ軍の捕虜収容所へと入れられてしまう。
1945年1月。アントニーナは夫を助けるため、身支度を整えヘックの元へ。彼は戦況が変わりベルリンへ呼び戻されたため、荷造りの最中だった。彼女は夫の容態と居場所を知るため、ヘックとの交渉に臨んだが、失敗。計画を知られてしまう。
急いで動物園へ戻ったアントニーナは、まずゲットーを撤退させ地下に匿っていたユダヤ人を逃がした。そして、息子を地下室から逃がす。引用:MIHOシネマ様
映画「ユダヤ人を救った動物園」を見た感想
これは名作になる予感します。
映像としては戦争・紛争メインではなく、戦時中のヒューマンタッチメイン。
ナチス系ユダヤ人迫害映画ではほぼ100%出る貨物電車のシーンで色々と他の数多くある作品と繋がる事があります。
ナチスによるユダヤ人迫害を描いた映画
独裁者(1940年米)舞台:ドイツ
アンネの日記(1959年米)舞台:オランダ 描写年代:1942年~1944年
質屋(1964年米)舞台:戦時中の欧州、戦後の米国
悲しみは星影と共に(1965年伊)舞台:ユーゴスラビア
ショアー(1985年仏)舞台:ポーランド他
さよなら子供たち(1987年仏・西独)舞台:フランス 描写年代:1944年頃
鯨の中のジョナ(1992年伊・英)舞台:オランダ
コルチャック先生(1990年ポーランド・西独)舞台:ポーランド 描写年代:1940年代前半
僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ(1990年独・仏・ポーランド)舞台:ドイツ、ポーランド、ソ連 描写年代:1930年代
シンドラーのリスト(1993年米)舞台:ドイツ 描写年代:1930年代~40年代
レ・ミゼラブル(1995仏)舞台:フランス 描写年代:1930年代~戦後
ライフ・イズ・ビューティフル(1998年伊)舞台:イタリア 描写年代:1939年~1945年
暗い日曜日(1999年独・ハンガリー)舞台:ハンガリー 描写年代:1938年~現代
ふたりのトスカーナ(2000年伊)舞台:イタリア 描写年代:1944年頃
名もなきアフリカの地で(2001年独)舞台:ケニア 描写年代:1940年代
神に選ばれし無敵の男(2001年独・英)舞台:ポーランド 描写年代:1932年~
ぼくの神さま (2001年米)舞台:ポーランド 描写年代:1940年代
灰の記憶 (2001年米)舞台:ポーランド 描写年代:1940年代
バティニョールおじさん(2002年仏)舞台:フランス 描写年代:1942年
戦場のピアニスト(2002年独・ポーランド・仏・英)舞台:ポーランド 描写年代:1939年~1945年
アンナとロッテ(2002年蘭・ルクセンブルク)舞台:ドイツ、オランダ 描写年代:1930年代~現代
ブラックブック(2006年蘭・独・英・ベルギー)舞台:オランダ、イスラエル 描写年代:1940年代~戦後
ヒトラーの贋札(2007年独・オーストリア)舞台:ドイツ 描写年代:1940年代~戦後
ミーシャ/ホロコーストと白い狼(2007年ベルギー・仏・独)舞台:ベルギー・ドイツ・ウクライナ 描写年代:1943年~戦後
縞模様のパジャマの少年(2008年米)舞台:ドイツ 描写年代:1942年
ディファイアンス(2008年米)舞台:ベラルーシ 描写年代:1941年以降
善き人(2008年独・英)舞台:ドイツ 描写年代:1930年代~1940年代
黄色い星の子供たち(2010年仏)舞台:フランス 描写年代:1942年
ミケランジェロの暗号(2010年オーストリア)舞台:オーストリア 描写年代:1940年代
サラの鍵(2010年仏)舞台:フランス 描写年代:1942年~現代
あの日 あの時 愛の記憶(2011年独)舞台:ポーランド 描写年代:1944年~1976年
ふたつの名前を持つ少年(2013年独・仏)舞台:ポーランド 描写年代:1939年~1945年以降
奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年仏)舞台:フランス 描写年代:2014年
サウルの息子(2015年ハンガリー)舞台:ハンガリー 描写年代:1944年
黄金のアデーレ 名画の帰還(2015年英・米)舞台:オーストリア・アメリカ 描写年代:1938年~2006年
杉原千畝 スギハラチウネ(2015年日)舞台:リトアニア他 描写年代:1934年~1972年
少女ファニーと運命の旅(2016年仏・ベルギー)舞台:フランス・スイス:1943年引用:ウィキペディア
ナチスのユダヤ迫害系だけでこの作品量です。
ナチスのみに絞るとさらに3倍程度の映画が世に放たれています。
家族がいるファミリーパパママは、自分ならどうするだろうと考えさせられながら見れる映画だとおもいます。
作品の中でのくたばれヒトラーは、ユダヤ人で無くても確実に瞬殺されるものですが、ドイツ軍直属の動物学者であり指揮官が動物園長妻に惚れていた為免れることができた、ナチスドイツ人も人間であることが見えたシーンがありました。
戦争映画苦手な人も、ヒューマンメインなので見やすいかと思います。
動物好きな方には辛いシーンもありますが、当時を考えると止む無くかつ柔らかく表現されている方ではないでしょうか。
もうひとつ。
強烈な奧さんの動物、人間および家族に対する愛が突き刺さる映画です。
